Less, Light, Local- The NORI Project exploring the future of seaweed through ARAKAWA GRIP technology

EXHIBITION

Less, Light, Local- The NORI Project exploring the future of seaweed through ARAKAWA GRIP technology

会期:2023年6⽉16⽇(金)〜25⽇(⽇)
時間:11時〜19時
レセプション:6月16日(金)19時頃より(トークイベント終了後)
入場:無料

主催:荒川技研工業株式会社
ディレクター:STUDIO BYCOLOR
クリエイター:we+
協賛:KITOTE、株式会社 NBC メッシュテック、株式会社鎚絵、株式会社博展
後援:JF全漁連、全国漁連のり事業推進協議会、有限会社⽥中正造商店

本展は、2023年4月にイタリア・ミラノで開催された「ミラノデザインウィーク2023」にて、荒川技研工業が出展したインスタレーション作品を再構築して紹介します。
ミラノデザインウイーク2023特設サイト:https://www.arakawagrip.co.jp/50grips/mdw2023/



本展示は、 Fuorisalone Award 2023(Sustainability部門)  にて、「スペシャルメンション」が授与されました。

●「Fuorisalone Award ・スペシャルメンション」とは?
Fuorisalone.it の技術委員会と編集スタッフにより、プロジェクトとデザインにおいて、
高いクオリティの革新性と同時に、深い意義を持つことに焦点を当てた作品に授与されます。

●「SUSTAINABILITY部門」について
環境負荷の少ない好循環のプロセスや作品だけでなく、明日のための新しい解決策を想像する能力
である「サステナビリティ(持続可能性)」に関連した作品が選ばれます。

Fuorisalone.it 公式ウェブサイト:Fuorisalone Award 2023(Sustainability部門) 





ミラノデザインウィーク2023での展示風景(撮影:太田拓実)

概要
精緻な技術が支える荒川技研工業のワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP」と、we+が素材の可能性を探究している「海苔」。その2つの組み合わせから生まれる、新たな可能性の提案です。

日本は、多くの海藻加工技術を有し、多種多様な海藻を食べる世界随一の海藻利用国。なかでも寿司やおにぎりに使われるシート状の板海苔は、手漉き和紙の製紙技術をもとに江戸時代に生まれたと言われ、工芸との関わりが深い大変ユニークな加工品です。限られた資源を無駄なく保存し、おいしくいただくための先人の知恵が詰まっています。しかし近年、気候変動による水温上昇や海流・生態系の変化により、十分な栄養を採取できず色褪せて育つ海苔が発生。食用に適さず買い手がつかないことから、その多くが焼却処分されています。

そこで本展では、食用としては使えない板海苔の新たな価値を追求。今までガラスや木材などの異素材と組み合わせることで軽やかな空間を生み出してきた ARAKAWA GRIP と、シート状だから丈夫で軽く、サステイナブルでもある海苔を主材に双方の魅力が引き出されるインスタレーションと照明を展示します。板海苔が工芸から派生したように、本作品もまた工芸のあり方に学び、土着の素材と技術を使って、シンプルに構成。これからのプロダクトのあり方を模索するとともに、海藻大国日本から、新素材として世界の注目を集める海藻の新たな活用方法を発信します。

クリエイター:we+
リサーチと実験に立脚した手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラリーデザインスタジオ。林登志也と安藤北斗により2013年に設立。

利便性や合理性が求められる現代社会において、見落されがちな多様な価値観を大切にしながら、自然環境や社会環境と親密な共存関係を築くオルタナティブなデザインの可能性を探究している。デザイナー、エンジニア、リサーチャー、ライターといった多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーが集い、日々の研究から生まれた自主プロジェクトを国内外で発表。そこから得られた知見を生かし、 R&D やインスタレーション等のコミッションワーク、ブランディング、プロダクト開発、空間デザイン、グラフィックデザインなど、さまざまな企業や組織のプロジェクトを手がけている。

近年は、自然とともに暮らしてきた歴史を学び、自然現象の移ろいやゆらぎを生かすことで、自然と人工が融合した新たなもののあり方を模索する「Nature Study」や、都市が生み出す廃材を土着の素材と見立て、複雑になりすぎたものづくりの原点を考察する「Urban Origin」といったリサーチプロジェクトにも力を入れている。

Dezeen Awards / Emerging Design Studio of the Year Public Vote(英)、Wallpaper* Design Awards(英)、EDIDA / Young Designer of the Year Nominee(伊)、日本空間デザイン賞金賞、 DSA デザイン賞金賞等受賞多数。作品はドイツの Vitra Design Museum に収蔵されている。

https://weplus.jp
ディレクター:STUDIO BYCOLOR
色や素材の持つ力を効果的に活用するデザイン事務所 STUDIO BYCOLOR 。2013年、秋山かおりにより設立。2002年千葉大学工学部デザイン工学科卒業、オフィス家具メーカー勤務を経て現在に至る。

なぜその色なのか、なぜその素材なのか。
デザインの領域が拡がる今、当たり前を問い、私たちの目の前にあるものを一から見直すアプローチで、その足元に眠る時間を掘り起こしながら、より良い方向へものごとを進める。重視するべきはリサーチ・デザイン・リリースの3フェーズ。現場で人々との対話や書籍、道具や素材から念入りに行うリサーチ。リサーチから見出した「芯」を実現するためのデザインワークは、メーカーや海外のデザイン事務所で培った経験を活かし、またリリースにおいては作り手・受け取り手の機微を捉えながらしっかりと伝えていく。

マテリアル実験から生まれた INHERENT:PATTERN は2022年 iF DESIGN AWARD を受賞。その他 German Design Award、DFAアジアデザインゴールド賞、DIA Top100、グッドデザイン賞受賞、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016 選出等。グッドデザイン賞審査員の他、千葉大学、法政大学デザイン工学部にて非常勤講師を務める。近年は素材を切り口に日本のクリエイティビティを海外へ伝える MATERIAL IN TIME を香港をはじめとする国内外で主催。2022年荒川技研工業が運営する TIERS GALLERY にて、 Almach Art Gallery 共同主催の BLACK SERIES のディレクションを務めた。

https://studiobycolor.com

イベント
1、「海苔から考える海洋素材のポテンシャル」
2023年6月16日(金)18:00~19:00
登壇者:林登志也(we+)、安藤北斗(we+)、豊福高志(JAMSTEC)、田口康大(3710lab)

独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)主任研究員で、地球生物学等を専門とされる豊福高志氏と、海洋教育の次世代プラットフォーム「3710Lab」代表理事の田口康大氏を迎え、海洋素材という切り口から、海の可能性をディスカッションします。

【豊福高志】独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC) 主任研究員
1972年滋賀県生まれ。兵庫県神戸市育ち。静岡大学大学院で2001年に博士(理学)を取得。専門領域は生命地球科学と実験微古生物学。主に海洋に生息する微小な生物である有孔虫が、炭酸カルシウムの殻をどのように構築するか、その過程の解明に取り組んでいる。調査対象は海水から材料を取り込み硬い殻を作る単細胞生物。目に見えないプロセスを視覚化しようとする試みが主な課題であり、そのためのさまざまな手段を探求している。

【田口康大】教育学者。一般社団法人3710Lab代表理事/東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師。
教育学・教育人間学を専門とし、人間と教育との関係について学際的に実践研究を行っている。2015年に、「海と人とを学びでつなぐ」をテーマに海洋教育とデザインを融合し実践的なプログラムを提供するプラットフォームとして一般社団法人3710Lab(みなとラボ)を設立。2021年より海洋環境デザインプロジェクトとして、教育ワークショップや国際会議を実施。2023年秋に第二回国際海洋環境デザイン会議を実施。2024年に海洋環境デザインスクール(仮)を設立予定。

2、「Less, Light, Localの制作秘話とこれからの話」
2023年6月23日(金)18:00~19:00
登壇者:井上勝久(株式会社井上海苔店)、関口愛理(we+)、本多沙映、秋山かおり(STUDIO BYCOLOR)

創業から160年を迎え、全国海苔問屋協同組合連合会の専務理事や、アジア規格(コーデックス地域規格)制定で海苔業界の代表として、国際会議 に参加されるなど幅広く活動される井上勝久氏。近年は味の追求に留まらず、未利用海苔の活用などご尽力される氏を迎え、Less,Light,Localの作品解説や制作プロセスや秘話、また海に関わるデザインの広がりについての話を展開します。

定員:各回40名(事前申込・先着順)
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