Less, Light, Local

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The NORI Project exploring the future of seaweed through ARAKAWA GRIP technology

今年50周年を迎える荒川技研⼯業は、1975年に世界に先駆けてワイヤー⾦具の調整機構「ARAKAWA GRIP」を開発し、現在⽇本国内のみならず、世界中の美術館やギャラリー、ショップ等で愛⽤されています。昨年11⽉に海外発となるショールームをイタリア・ミラノにオープンし、建築家やインテリアデザイナーなど、多くの⽅々に製品をご覧頂いています。この度、かねてより「ARAKAWA GRIP」を愛⽤いただいているミラノ屈指のギャラリー Almach Art Gallery にて、コンテンポラリーデザインスタジオ we+ による ARAKAWA GRIP の可能性を拡げた作品をご覧いただけます。
また、同ギャラリーにて ARAKAWA GRIP の原点であるプロダクト「ハンドプラー(HP-1)」や、ARAKAWA GRIP が活⽤された建築家やデザイナーの作品が、50 周年のトータルディレクションを⼿掛ける STUDIO BYCOLOR により、コンセプトカラーを活⽤した会場構成を通して紹介されます。

Concept

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The NORI Project exploring the future of seaweed through ARAKAWA GRIP technology

精緻な技術が支える荒川技研工業のワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP」と、we+が素材の可能性を探究している「海苔」。その2つの組み合わせから生まれる、新たな可能性の提案です。

日本は、多くの海藻加工技術を有し、多種多様な海藻を食べる世界随一の海藻利用国。なかでも寿司やおにぎりに使われるシート状の板海苔は、手漉き和紙の製紙技術をもとに江戸時代に生まれたと言われ、工芸との関わりが深い大変ユニークな加工品です。限られた資源を無駄なく保存し、おいしくいただくための先人の知恵が詰まっています。しかし近年、気候変動による水温上昇や海流・生態系の変化により、十分な栄養を採取できず色褪せて育つ海苔が大量に発生。食用に適さず買い手がつかないことから、その多くが焼却処分されています。

そこで本展では、食用としては使えない板海苔の新たな価値を追求。今までガラスや木材などの異素材と組み合わせることで軽やかな空間を生み出してきた ARAKAWA GRIP と、シート状だから丈夫で軽く、サステイナブルでもある海苔を主材に双方の魅力が引き出されるインスタレーションと照明を展示します。板海苔が工芸から派生したように、本作品もまた工芸のあり方に学び、土着の素材と技術を使って、シンプルに構成。これからのプロダクトのあり方を模索するとともに、海藻大国日本から、新素材として世界の注目を集める海藻の新たな活用方法を発信します。

Creator

we+

ウィープラス

we+ ウィープラス

リサーチと実験に立脚した手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラリーデザインスタジオ。林登志也と安藤北斗により2013年に設立。

利便性や合理性が求められる現代社会において、見落されがちな多様な価値観を大切にしながら、自然環境や社会環境と親密な共存関係を築くオルタナティブなデザインの可能性を探究している。デザイナー、エンジニア、リサーチャー、ライターといった多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーが集い、日々の研究から生まれた自主プロジェクトを国内外で発表。そこから得られた知見を生かし、 R&D やインスタレーション等のコミッションワーク、ブランディング、プロダクト開発、空間デザイン、グラフィックデザインなど、さまざまな企業や組織のプロジェクトを手がけている。

近年は、自然とともに暮らしてきた歴史を学び、自然現象の移ろいやゆらぎを生かすことで、自然と人工が融合した新たなもののあり方を模索する「Nature Study」や、都市が生み出す廃材を土着の素材と見立て、複雑になりすぎたものづくりの原点を考察する「Urban Origin」といったリサーチプロジェクトにも力を入れている。

Dezeen Awards / Emerging Design Studio of the Year Public Vote(英)、Wallpaper* Design Awards(英)、EDIDA / Young Designer of the Year Nominee(伊)、日本空間デザイン賞金賞、 DSA デザイン賞金賞等受賞多数。作品はドイツの Vitra Design Museum に収蔵されている。

https://weplus.jp

Director

STUDIO BYCOLOR

スタジオ バイカラー

STUDIO BYCOLOR スタジオ バイカラー

色や素材の持つ力を効果的に活用するデザイン事務所 STUDIO BYCOLOR 。2013年、秋山かおりにより設立。2002年千葉大学工学部デザイン工学科卒業、オフィス家具メーカー勤務を経て現在に至る。

なぜその色なのか、なぜその素材なのか。
デザインの領域が拡がる今、当たり前を問い、私たちの目の前にあるものを一から見直すアプローチで、その足元に眠る時間を掘り起こしながら、より良い方向へものごとを進める。重視するべきはリサーチ・デザイン・リリースの3フェーズ。現場で人々との対話や書籍、道具や素材から念入りに行うリサーチ。リサーチから見出した「芯」を実現するためのデザインワークは、メーカーや海外のデザイン事務所で培った経験を活かし、またリリースにおいては作り手・受け取り手の機微を捉えながらしっかりと伝えていく。

マテリアル実験から生まれた INHERENT:PATTERN は2022年 iF DESIGN AWARD を受賞。その他 German Design Award、DFAアジアデザインゴールド賞、DIA Top100、グッドデザイン賞受賞、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016 選出等。グッドデザイン賞審査員の他、千葉大学、法政大学デザイン工学部にて非常勤講師を務める。近年は素材を切り口に日本のクリエイティビティを海外へ伝える MATERIAL IN TIME を香港をはじめとする国内外で主催。2022年荒川技研工業が運営する TIERS GALLERY にて、 Almach Art Gallery 共同主催の BLACK SERIES のディレクションを務めた。

https://studiobycolor.com

Venue

イタリア・ミラノ中心部に1955年にオープンしたアートギャラリー。2019年に現在の場所に移転し再オープン。「アートを体験する喜びを世界中の人々に」というコンセプトのもと、コンテンポラリーアートや彫刻、写真、デザインまで幅広く扱う。オーナーはキュレーターでもある Luca Temolo Dall’Igna (ルカ・テモロ・ダッリャーニャ)。1990年代からキュレーターとして活動し、イタリアを拠点に欧州で展覧会のキュレーションを100以上手掛ける。

https://www.almach.com

Organizer

荒川技研工業は、自社で開発した無限の可能性を秘めたワイヤー金具の調整機構「ARAKAWA GRIP」をもとに、建築家やデザイナーとの協働によって次代を拓く新しい価値の創造に挑戦し、多彩な使い方や空間づくりを国内外で展開する。

「ないものを創る」という理念のもとに創業者であり、工学博士の荒川秀夫は、「ないものを創る」という理念を掲げて1973年に会社を立ち上げ、その2年後の1975年に、世界に先駆けてワイヤー金具の調整機構「ARAKAWA GRIP」を開発。この技術を用いたさまざまな用途製品を開発し、製造、販売事業を展開してきた。現在は息子たちがその理念を受け継ぎ、同社を牽引する。長男の創(はじめ)が代表を務め、二男の均(ひとし)が企画・製造を、三男の真(まこと)がマーケティング & セールスプロモーションを担い、「ARAKAWA GRIP」のさらなる可能性を求めて、新しいものづくりに挑む。

新しい物の価値が生まれる場所約 500 種類という膨大な製品点数があり、その活用方法は無限の可能性を秘めている。どの製品を選んで組み合わせれば、今までにない豊かな空間を生み出せるか。そのためにはまず思いや考えを聞き、実際に製品を前にして可能性を探りながら、そのかたちをともに見つけ出していくことが必要になる。そこで実験や試作に挑む場として、あるいは建築家やデザイナーといったクリエイターの多彩なアイディアが集まり、新しい物の価値を生み出す創造の場をつくろうと、2017 年に東京・表参道に「TIERS(荒川技研工業ショールーム)」は誕生した。創業時からの「ないものを創る」という理念のもと、ここからさらに新しい試みに挑戦し、次代に向けた新しいものづくりのかたちを切り開いていく。

https://www.arakawagrip.co.jp

Overview

タイトル
Less, Light, Local
The NORI Project exploring the future of seaweed
through ARAKAWA GRIP technology
期間
2023年4⽉18⽇(⽕)〜23⽇(⽇) 11時〜19時
⼊場料
無料
会場
Almach Art Gallery (Via Gaudenzio Ferrari, 3, 20123 Milan, Italy)

Google Maps

Credit

主催
荒川工業技研株式会社
ディレクター
STUDIO BYCOLOR
クリエイター
we+
協賛
KITOTE、株式会社 NBC メッシュテック
後援
JF全漁連、全国漁連のり事業推進協議会、有限会社⽥中正造商店