

家具へと転用されたワイヤーシステム
2000年、ARAKAWA GRIPの機構は、絵画などの展示から建築の空間要素へと広がりつつあった。荒川技研工業と制作した「Wardrobe」(写真左)と「Aluminum Shelf 」は、家具への転用を試行したデザインである。「Wardrobe」では、ARAKAWA
GRIPの機構を含む家具構造が自己完結することを目指した。
中央のパイプ支柱にてトップパネルとベースボックスをつなぎ、外周に配置。張力にて均衡する12本のワイヤーにより、収納エレメントを支持している。「Aluminum Shelf 」は、アルミプレートを折り曲げたコの字型ユニットを嵌工し、上部に配置した支持体としてのステンレスパイプよりワイヤーで吊り上げている。〈文/夏目知道〉