the GRIP  05  /  Tomomichi Natsume

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家具へと転用されたワイヤーシステム

夏目知道

家具へと転用されたワイヤーシステム – 夏目 知道
(撮影/ナカサ&パートナーズ)
家具へと転用されたワイヤーシステム – 夏目 知道
(撮影/ナカサ&パートナーズ)

家具へと転用されたワイヤーシステム

2000年、ARAKAWA GRIPの機構は、絵画などの展示から建築の空間要素へと広がりつつあった。荒川技研工業と制作した「Wardrobe」(写真左)と「Aluminum Shelf 」は、家具への転用を試行したデザインである。「Wardrobe」では、ARAKAWA
GRIPの機構を含む家具構造が自己完結することを目指した。
中央のパイプ支柱にてトップパネルとベースボックスをつなぎ、外周に配置。張力にて均衡する12本のワイヤーにより、収納エレメントを支持している。「Aluminum Shelf 」は、アルミプレートを折り曲げたコの字型ユニットを嵌工し、上部に配置した支持体としてのステンレスパイプよりワイヤーで吊り上げている。〈文/夏目知道〉

夏目知道

夏目知道

ナツメトモミチ

1966年愛知県生まれ。1985年、愛知県立芸術大学を卒業後、近藤康夫デザイン事務所に勤務。1999年、ナツメトモミチを設立。愛知県立芸術大学准教授。対象の本質的な魅力を探求し“表現すべきこと”を、空間・物・行為としてストレートにデザインしている。

http://www.natsumetomomichi.jp/

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