
作品に欠かせない存在ながら静かに身を引く支持体
「Sky Forming Apparatus」は、直系1 .5mのパラボラの中央にガラスの円盤を浮かべ、空の光を映し出す作品。空が青や赤に染まるレイリー散乱の原理を応用した、AGCによって開発された特殊なガラスを使用している。ガラスの中で起こる複雑な光の移ろいを鏡面に映すことで、ささやかな現象は身体で対峙できるほどの空間へと変容する。
鑑賞者が現象の美しさに没頭できるようにガラスの支持体の映り込みを無くす必要があり、約5㎏のガラスをARAKAWA GRIPのワイヤーシステムで取り付けた。構造を成立させる要でありながら、風景の中で静かに身を引いてくれる支持体の存在は、繊細な現象を見るための作品には欠かせない。作品はTOKYO MIDTOWNやAGC研究所内で展示された。〈文/studio SHOKO NARITA〉