「Eclipse」は、2011年にマックスレイから発売された、「光源の不在」をテーマにしたペンダントランプである。オーソドックスな形状のシェードの上縁には数十個のLEDが巧みに隠されており、一見すると光源がなく、傘の内面だけが照り返しで輝いているように見える。このシェードを天井からどのように吊るすかを考えていた時、以前から交流のあった荒川技研工業の製品を思い出した。傘の中央に一本のワイヤーを通してARAKAWA GRIPで固定すれば、作業用にも食卓用にも自由に高さを変えられる……。こうして、極細のワイヤーに支えられた、シェードだけのシンプルで機能的な照明器具「日蝕」が誕生した。〈文/山中俊治〉