
オン・オフで空間の量を変える
中国を拠点に設計の仕事をしており、2015年に同国のテレビ番組「夢想改造家」に紹介され話題となった「L型の家」のリノベーション・プロジェクトで、初めて荒川技研工業の製品を採用した。
「L型の家」は、細い路地が入り組む北京の旧市街にあり、狭い隙間のような敷地に立つ。床面積は約43㎡で、3世代6人で住む計画である。限られた空間をより有効に使用するため、ピクチャーレールを設置。吊った物を上下左右に動かせるだけでなく、幅10㎝ほどの隙間を収納にすることが可能になった。また、オプションパーツのハンガーラックも、使用しない時は折り畳むことができ、空間の有効活用に寄与した。
家具や什器の存在をオン・オフさせ、空間で占める割合を変えられるのが、これらの製品の特性であり魅力だ。製品の採用は、生活シーンごとに空間を変容できるよう設計した今回の建築にとって必然であり、想定した適所に対して適材をつくり出すというメーカーの力を知る機会となった。〈文責/高橋正明〉