
継承と革新
日本に古くから伝わる「家紋」を描く職人・紋章上繪師である波戸場承龍と波戸場耀鳳が、荒川技研工業が新たに提案する最も小さなグリッパーを駆使した作品を発表した。
「USARA」は、屋久島地杉を2081個の球体に加工し、615本のワイヤーで吊るしたインスタレーションである。宙に浮かんでいるようにも感じさせるその不思議なシルエットは、正面からは「梅」に、側面からは「桜」に見えると言う仕掛けだ。波戸場承龍のオリジナルアート作品で、デザインから設計、組み立てまでを自身で手掛けている。
家紋が持つデザイン性と荒川技研工業のテクノロジーを融合させることで、アートとして、またプロダクトとしても、新たな境地を提案した。〈文/京源〉