
デザイナーのアイデアに寄り添うために
これまでデザイン業界に身を捧げ、近年デザインディレクターとして、世界を舞台に活躍する数多くの建築家と仕事をしてきた。彼らのユニークな要望や条件をどう実現していくかが、私の重要な課題である。
アキッレ・カスティリオーニをはじめとした、スターデザイナーたちのプロトタイプデザインに寄り添う機会にも恵まれた。私にとっての彼らとは、協働者というより大切な人生の師であり、デザインの思考法に大きな影響を与えてくれた。
初めて荒川技研工業の製品を使用したのは、1991年頃だったと思う。イタリアの建築家であるエットレ・ソットサスがヴェニーニ社のためにデザインした、ムラーノガラス製ウォールランプを製作する際に出会った。ヴェニーニ社では、さまざまな荒川技研工業の製品を使用している。これからも、作家の自由な発想を実現してくれる製品を通して、インテリアをより重視した照明器具のデザインを提案していきたい。〈文責/高橋正明〉