
ワイヤーの密度の変化により「壁」や「窓」をつくり出す
「ナナズグリーンティー」は「抹茶」という切り口から「新しい日本のカタチ」を世界に発信しており、その店内に求められる空間は「現代の茶室」である。
茶室の土壁の下地には、貫や竹などを格子状に組み、縄などで編んだ小舞という技法が使われている。その密度を変化させることで、強度を出したり、開口部をつくり出している。また、土壁の一部を塗り残して下地の格子を見せた窓は「下地窓」と言われ、千利休が始めたものである。
「mozo ワンダーシティ店」では、茶室の小舞技法の表現として、ARAKAWA GRIPのブラックワイヤーを空間に対して格子状に編み込んでいき、その密度の変化によって壁や窓となる空間をつくっていくことを試みた。〈文/吉田昌弘〉