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建物の造形に寄り添う橋

名和 晃平

建物の造形に寄り添う橋 – 名和 晃平
撮影/表恒匡

広島県福山市の禅寺・神勝寺の境内に建つ《洸庭》は、彫刻家・名和晃平とSandwichによるアートパビリオンである。伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物が、石のランドスケープの上に浮かぶ。 ランドスケープから続く緩やかなスロープと建物の小さな入り口は橋によって結ばれており、この手すりとしてARAKAWA GRIPを使用している。橋は、ワンマテリアルで統一された建物の造形に影響を与えないよう、建物との接続部分にわずかな隙間を設けると共に、建物の有機形状に合わせた加工を施している。スチール製フラットバーとワイヤーを組み合わせたARAKAWA GRIPが、これらの精巧なディティールを可能としている。〈文/Sandwich〉

名和 晃平

名和 晃平

SANDWICH Inc.

1975年、大阪府生まれ。1999年、英国王立美術院に交換留学。2003年、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻を修了。「ものの表皮」への意識から発して、感覚や思考のメタファーとしてのマテリアルを「セル」という概念を元に様々な表現に展開する。2009年、京都・伏見区に「Sandwich」を創設。以後、これを拠点に活動。京都芸術大学教授。

http://kohei-nawa.net/

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