広島県福山市の禅寺・神勝寺の境内に建つ《洸庭》は、彫刻家・名和晃平とSandwichによるアートパビリオンである。伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物が、石のランドスケープの上に浮かぶ。 ランドスケープから続く緩やかなスロープと建物の小さな入り口は橋によって結ばれており、この手すりとしてARAKAWA GRIPを使用している。橋は、ワンマテリアルで統一された建物の造形に影響を与えないよう、建物との接続部分にわずかな隙間を設けると共に、建物の有機形状に合わせた加工を施している。スチール製フラットバーとワイヤーを組み合わせたARAKAWA GRIPが、これらの精巧なディティールを可能としている。〈文/Sandwich〉