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巨石から引き出された圧倒的な緊張感

東 克紀

巨石から引き出された圧倒的な緊張感 – 東 克紀
店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2016」の荒川技研工業のブース。1本で300kgまで耐えるワイヤーシステムを用いて、1 .5 tの庵治石を支えて強度を示すという、シンプルかつダイナミックな構成とした(撮影/ナカサ&パートナーズ)

橋本夕紀夫デザインスタジオが「JAPAN SHOP」の荒川技研工業のブースデザインを8年ぶりに手掛けるにあたり、核となったのは重量物用金具「WF-21 B」である。荒川技研工業のワイヤーシステムの中で最大のサイズであり、線径6 ㎜のワイヤーに対応する。重い物を吊れる点を表現することに焦点を置き、最もシンプルに表現する手段として、巨大な石をワイヤー金物で引っ張ることを考えた。
タイトルは「The TENSION」。重さ1 .5 tの自然石と鉄の柱にそれぞれ「WF-21B」を固定し、線径6 ㎜のワイヤーで結び、双方に掛かるテンションでバランスを取っている。ワイヤーの数は最小の3本とし、緊張感を生み出すことを意図した。人工物と自然物を対照し空間を構成することで、従来にないインパクトのあるブースデザインを目指した。〈文責/高橋正明〉

東克紀

東克紀

橋本夕紀夫デザインスタジオ

1980年、三重県生まれ。2004年、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科を卒業し、橋本夕紀夫デザインスタジオに入社。主な担当物件として、「TANSEI 伊勢丹新宿」「nol kyoto sanjo」「茶懐石 温石」「旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクションbyヒルトン」「ミキモト銀座ブティック2」「奥井海生堂 コレド室町店」など。

https://www.hydesign.jp/jp/index.html

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