橋本夕紀夫デザインスタジオが「JAPAN SHOP」の荒川技研工業のブースデザインを8年ぶりに手掛けるにあたり、核となったのは重量物用金具「WF-21 B」である。荒川技研工業のワイヤーシステムの中で最大のサイズであり、線径6 ㎜のワイヤーに対応する。重い物を吊れる点を表現することに焦点を置き、最もシンプルに表現する手段として、巨大な石をワイヤー金物で引っ張ることを考えた。
タイトルは「The TENSION」。重さ1 .5 tの自然石と鉄の柱にそれぞれ「WF-21B」を固定し、線径6 ㎜のワイヤーで結び、双方に掛かるテンションでバランスを取っている。ワイヤーの数は最小の3本とし、緊張感を生み出すことを意図した。人工物と自然物を対照し空間を構成することで、従来にないインパクトのあるブースデザインを目指した。〈文責/高橋正明〉