「-162 Trading Power」は、カタールと日本のユニークな関係を探る研究プロジェクトです。両国間のLNG貿易と、その貿易が両国の経済・文化・ライフスタイルに与える影響に焦点を当てています。プロジェクトの発表の場として、東京とドーハで二つの展覧会を開催しました。会場では、インターネットから抽出されたテキストや画像をグラフィックコンポジションとして合成するようプログラムした40台のプリンターからなる、キネティック・インスタレーションを展示しました。
デザイナーやアーティストにとって、技術的なパーツは非常に便利な存在ですが、無数のサプライヤーの中からオンラインまたは直接交渉を介して見つけることは、非常に困難な作業です。プロジェクトで検索する物の多くは一般名称が付けられているものの、実物を見るまでそれがどのような役割を果たす物であるかがわからないケースもよくあります。
しかし荒川技研工業では、一般名称のない継手や部品にも気を配っています。ユーザーは、これらのパーツが不可欠な存在であり、表現の正確さにおいても非常に美しいことにも気づくでしょう。同社は、デザイナーやアーティストがまだ気づいていないものをつくっています。そして、それらに皆が理解できるような名前を与えているのです。 〈文/ジョバンニ・イネッラ〉