the GRIP  06  /  Emmanuelle Moureaux

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作品の一部としての美しさをパーツに求める

エマニュエル・ムホー

作品の一部としての美しさをパーツに求める – エマニュエル・ムホー
(撮影/志摩大輔)

2014年に開催されたヴェネチアビエンナーレ国際建築展の企画展「Time Space Existence」にて、「shikiri / see beyond colors」を展示。本展では、建築家として大切にしてきた自身のデザインコンセプト「色切/shikiri」と向き合い、その要素を抽出することを試みた。面と線の「色切/shikiri」を建築的視点から捉え、さまざまなスケールや高さに吊られた六つの模型により、立体的に表現している。
これらの模型を天井から水平に吊るすには、繊細な作業を要するため、金物部分で調節が可能なARAKAWA GRIPを採用した。色のグラデーションの流れを壊さぬよう、美しいデザインであることも重要であった。会期中、ARAKAWA GRIPは、作品の一部であるかのように静かに佇んでいた。 〈 文/エマニュエル・ムホー〉

エマニュエル・ムホー

エマニュエル・ムホー

フランス生まれ。建築家/アーティスト/デザイナー。1996年より東京在住。東京の“色”と街並みが成す複雑な“レイヤー”と、日本の伝統的な“仕切り”から着想を得て、色で空間を仕切る「色切/shikiri」コンセプトを編み出す。代表作に「巣鴨信用金庫」の建築設計、「100 colors」シリーズ、「UNIQLO」や「ISSEYMIYAKE」のアートインスタレーション、国立新美術館での「数字の森」などがある。東北芸術工科大学教授。

https://www.emmanuelle.jp/

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