2014年に開催されたヴェネチアビエンナーレ国際建築展の企画展「Time Space Existence」にて、「shikiri / see beyond colors」を展示。本展では、建築家として大切にしてきた自身のデザインコンセプト「色切/shikiri」と向き合い、その要素を抽出することを試みた。面と線の「色切/shikiri」を建築的視点から捉え、さまざまなスケールや高さに吊られた六つの模型により、立体的に表現している。
これらの模型を天井から水平に吊るすには、繊細な作業を要するため、金物部分で調節が可能なARAKAWA GRIPを採用した。色のグラデーションの流れを壊さぬよう、美しいデザインであることも重要であった。会期中、ARAKAWA GRIPは、作品の一部であるかのように静かに佇んでいた。 〈 文/エマニュエル・ムホー〉