「Aether(エーテル)」とは、近代科学以前に光を伝達する媒質としてくまなく空間を満たしていると考えられていた物質である。その媒質が放つかのような、全てを柔らかく包み込むような光をつくり出すために、吹きガラスでできたシェードの中に半透明の膜を浮かべた。上部にある光源から降り注ぐ光を受け、拡散させることで空間を光で満たす。この照明作品自体が、エーテルという一つの「元素」を体現するのである。
吊り機構に、ARAKAWA GRIPを採用。2022年のサローネサテリテに出展した後、「TIERS GALLERY」で開催された、照明製作を担ったワイ・エス・エムの創業30周年記念展「BEHINDTHE LIGHT」でも展示された。〈文/AATISMO〉