Concept

Less, Light, Local
The NORI Project exploring the future of seaweed through ARAKAWA GRIP technology
精緻な技術が支える荒川技研工業のワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP」と、we+が素材の可能性を探究している「海苔」。その2つの組み合わせから生まれる、新たな可能性の提案です。
日本は、多くの海藻加工技術を有し、多種多様な海藻を食べる世界随一の海藻利用国。なかでも寿司やおにぎりに使われるシート状の板海苔は、手漉き和紙の製紙技術をもとに江戸時代に生まれたと言われ、工芸との関わりが深い大変ユニークな加工品です。限られた資源を無駄なく保存し、おいしくいただくための先人の知恵が詰まっています。しかし近年、気候変動による水温上昇や海流・生態系の変化により、十分な栄養を採取できず色褪せて育つ海苔が大量に発生。食用に適さず買い手がつかないことから、その多くが焼却処分されています。
そこで本展では、食用としては使えない板海苔の新たな価値を追求。今までガラスや木材などの異素材と組み合わせることで軽やかな空間を生み出してきた ARAKAWA GRIP と、シート状だから丈夫で軽く、サステイナブルでもある海苔を主材に双方の魅力が引き出されるインスタレーションと照明を展示します。板海苔が工芸から派生したように、本作品もまた工芸のあり方に学び、土着の素材と技術を使って、シンプルに構成。これからのプロダクトのあり方を模索するとともに、海藻大国日本から、新素材として世界の注目を集める海藻の新たな活用方法を発信します。