ARAKAWA GRIP PRODUCTS 04
195/200

創業者であり、工学博士の荒川秀夫は、「ないものを創る」という理念を掲げて1973年に会社を立ち上げ、その2年後の1975年に、世界に先駆けてワイヤー金具の調整機構「ARAKAWAGRIP」を開発。この技術を用いたさまざまな用途製品を開発し、製造、販売事業を展開してきた。現在は息子たちがその理念を受け継ぎ、同社を牽引する。長男の創(はじめ)が代表を務め、二男の均(ひとし)が企画・製造を、三男の真(まこと)がマーケティング&セールスプロモーションを担い、「ARAKAWAGRIP」のさらなる可能性を求めて、新しいものづくりに挑む。「ARAKAWAGRIP」を製造する所沢の自社工場では、材料の仕入れから機械加工、検品・組立、検査、梱包・発送まで一貫した生産体制を整える。カタログに掲載している製品数は、約500点。そのうち、常時、生産しているのは、約300点。多様な要望に応えるために、少量多品種生産を行なう。最新の機械設備を導入し、良質な材料を厳選して高度な加工技術による質の高い製品を生産する。時間の短縮や製造コストの削減を図り、生産性の向上と安定した供給にも努めている。組立や検品、独自の厳格な規格に基づいた全数検査は、機械を活用しながら一つひとつ手作業で行なうなど、効率性と丁寧さを追求した人の技術も大切にしている。「最新の機械」と「人の技術」を両立させたものづくりが、「信頼と技術のアラカワ」として世界に評価されている理由でもある。約500種類という膨大な製品点数があり、その活用方法は無限の可能性を秘めている。どの製品を選んで組み合わせれば、今までにない豊かな空間を生み出せるか。そのためにはまず思いや考えを聞き、実際に製品を前にして可能性を探りながら、そのかたちをともに見つけ出していくことが必要になる。そこで実験や試作に挑む場として、あるいは建築家やデザイナーといったクリエイターの多彩なアイディアが集まり、新しい物の価値を生み出す創造の場をつくろうと、2017年に東京・表参道に「TIERS(荒川技研工業ショールーム)」は誕生した。創業時からの「ないものを創る」という理念のもと、ここからさらに新しい試みに挑戦し、次代に向けた新しいものづくりのかたちを切り開いていく。コンセプトムービーはこちら→STORY194「ないものを創る」という理念のもとに最新の機械を導入し、質の高い製品を生産する人の手と目で確認し、丁寧なものづくりを大切にする新しい物の価値が生まれる場所Creating New Values新しい価値の創造に挑む

元のページ  ../index.html#195

このブックを見る